当店の在り方と料金改定案内
お久しぶりです、CosmosWanです。今回は少し腹を割ってお話をさせていただければと思います。
8月は一律学生料金ということもあり、多くのお客様に店内利用をしていただきました。その反動もあってか、9月は各月より少し利用者数が少ないように感じました。店内利用の料金によって、客足が増減するのは当然と思うのですが、それについて改めて詳しく考えていく必要があるなと思い始めました。
結論はこちらの目次の最下部「料金改定案内」を押していただければ今回の記事の要点へジャンプします。
店内利用について
現状の店内利用の比率としては土日が稀に満席になる程度で、他の日は店内利用は大概混むことはありません。フリータイムでご利用していただけるお客様が2組同時に店内にいらっしゃれば平日でも満席になることもあります。
当店は飲食物の提供をしていませんので、店内利用にはボードゲームの仕入れにのみ経費がかかり、それ以外は販売店と経費(光熱費等)は変わりません。
そこで、販売を主眼としてショップをオープンするのに合わせて、「そもそもボードゲームというものを知ってもらう、遊んでもらうことがなければ購入者自体も増えないのではないだろうか」という考えもあり、店舗面積にプレイスペースも加えました。
その際には全国的にボードゲームカフェの料金体系を参考にさせていただきました。
ただ、他のボードゲームカフェは美味しいご飯やカフェとしてオシャレな雰囲気などが含まれた料金なのかなというのも感じることもあります。(当店にはそういった魅力はありません)
料金体系の差異について
以前ネットかどこかで「料金体系に大きな差が生まれてしまうと最終的に業界全体の損失に繋がる」という記事を見た覚えがあります。
それは昨今のボードゲーム販売市場でも同様のことが発生し得ると思っていて、
某販売大手は予約時の値引き率の高さが小売店の私の目から見て異常で、太刀打ちできません。私が顧客であれば、定価で買うのが馬鹿らしく思えてしまうほどですので各小売店は当店同様阿鼻叫喚と感じていることと思います。。
しかも某販売大手の取り扱ってる商品によっては、当店の仕入価格より小売価格の方が安いものも見かけます。取引量によって掛率は変わるのかもしれませんが、競合相手とはいえ同じ業界において他店への影響が大きすぎます。目先の利益を優先して、将来に目が向いていないと思います。そんな状況では定価で買おうと思っていただけるお客様の減少は必然ではないでしょうか。定価で買いたくないという考え方は、商品ごとに設定された商品の価値を正当なものと認めないということにも繋がるかと思います。価格破壊は顧客の感覚も破壊することに成り兼ねません。
割高に感じる理由
ボードゲームが割高に感じることがあるのは、ボードゲーム市場が未だ小さな市場ということに尽きると思います。需要と供給の母数が他の大きなジャンルの製品群に比べて小さいということは一つ一つの価格を少々高めに設定しないと利益を確保できないからです。
割高に感じるケースとして、
「専門性が高く、高い技術が必要なケース」と
「販売母数が少なく、利率の高い価格設定が必要なケース」の
2種類があると個人的に感じております。
私たちの取り扱っているボードゲームは後者に属するジャンルだと思っています。
結局割高に感じてしまうのは、商品に対して価値を見誤っているからだと思います。ボードゲームは材質ではなくゲームのシステムに付加価値を付けている部分はあると思うので「薄っぺらな紙だから割高」と思ってしまうのは例外もありますが少し早計なのかなとも感じます。
そこで私たちができること・すべきことは多くのボードゲームを国内のお客様に届けることでボードゲームを身近に感じてもらい、ボードゲーム市場を大きく発展させる一助を担うことだと考えています。
全国各地でボードゲームが取り扱われ流通量が増えれば、ボードゲームは版元の希望小売価格の設定が低くても版元に利益が出るはずなので、将来的には今よりも安価にボードゲームが手に入ることに繋がると思います。
しかしながら、恒常的な値引き販売が続くと定価で販売している店舗での売上は下がるので経営が難しくなります。すると、それらの定価を遵守している優良な小売店は閉店することになってしまい、結果としてボードゲームを取り扱うお店が減少し、ボードゲームが身近な存在になりづらくなります。
この数が減らないよう、全国的に各小売店は一部のセールを除き恒常的な値引き販売は控えるべきだと思います。
当店は、ボードゲームが買えることをインターネットや口コミ、通信販売等で知っていただき、定価で販売しているのにかかわらず当店にてお買い求めいただけて、ボードゲームの周知に健全にかかわることができていると自負しています。当店をご利用いただいてる全ての皆様方、この場を借りて改めて感謝申し上げます。
当店の店内利用に関しまして、私自身割高に感じるのは、たとえば1500円の小箱は当店で4人で1時間遊ぶのと同じ価格帯ですので、4人で遊ぶ場合、店で遊ぶ必要がありません。
ただ、日本の家屋は狭いので保管場所や遊ぶ場所の確保が難しい場合もあるので、そういったボードゲームの場所代としての価格として店内利用は高すぎることはないとも思いますが、リプレイを何度もするのであれば総プレイ時間と比較して、買ったほうが安いのは明らかです。
その損得勘定におきましても、お客様自身が店内利用を納得できる料金体系に出来たらいいと思います。「お得にボードゲームを遊びたい」ではなく「気になるゲームを遊んでみたいけど、買うのはまだ決めかねている」という方をターゲットにしたいと思います。
理想として、店内利用で面白いと感じていただいて、購買意欲を持っていただき当店で購入、自宅等で仲間内で遊んでいただく。
この流れがボードゲームの普及に一番の理想的なのかなと。(当店の経営利益を別離して考えるとしてですが)
利用するくらいなら購入する方が良い、じゃあ買おう。
という考えに至っていただければそれは大変ありがたいことですが、
利用するくらいなら購入する方が良い、じゃあ遊ばない。
という考えに至ってしまうと普及を阻害することになってしまいます。
この塩梅が店内利用という「時間に対する対価を払うこと」における一番の難しいところだと思います。
当店も学生料金や、その料金の改定など試行錯誤してきましたが、その正解は未だ見つけられていません。その時流に合わせて店内利用の価格もボードゲームの価格のように移りゆくべきものなのかもしれません。
当店は現在経費等は全て販売の売上で相殺出来るまでに成長(?)しましたので、店内利用に頼らなくてもよくなりました。それはひとえに地元のお客様の支えや、通信販売にて遠方のお客様が購入してくれることや、メーカーやボードゲーム業界のブームによって初版売切れの大人気商品が数か月に1度発売され、完売するような勢いがあるからです。
販売商品を購入するとき、その商品の面白さに不安が残る場合もあると思います。ボードゲームは特にその傾向が強いと思います。当たり外れの大きいものだと思います。
「買ってみたら面白くなかったから、失敗したくないし今後は買わない。」という事態も避けたいところです。(この場合、既発の従来品の中でも面白くない作品は淘汰されることに成ると思いますが、それはまた別のお話になると思いますのでここでは割愛します。)
当店は販売商品を購入していただくことを第一とした小売店なので、店内利用はそれに繋がるような在り方をすべきかもしれません。お客様にとってボードゲームに悪い印象が発生しないように試遊の機会を設けることは有意義だと思っています。
卓数は4卓、席数は22席しかありませんが、それでも出来る限りの努力はしていきたいと思います。
料金改定案内
そこで利用料金を大人・学生問わず一律
利用時間数x200円
にしたいと思います。10分延長は時間を気にして遊ばなければならなくて個人的にめんどくさく好きじゃないので、それを気にする必要が無いよう基本価格を安くすればいいと考え、延長料金を細分化することは今回の料金体系では止めます。
例示しますと、
1時間利用 200円
3時間利用 600円
4時間32分利用 1000円
です。1分から59分の延長は次の1時間分の利用料金として計上します。試したいだけ試せる、という状況に料金が高く感じないようにお客様自身思っていただければ幸いです。
1200種類くらい遊べるだけの簡素なプレイスペースなので特別な付加価値はあまり無いと思います。強いて挙げれば「駅チカ、種類豊富、持込自由」くらいの付加価値でしょうか。顧客視点から立ってみればこの料金体系は適正価格なのかなと思います。
「試遊を店内利用で行い、面白いから購入を店頭で」という感じを想定していますので、大型連休以外は当店の性質から基本的に混雑しないと思います。大混雑で運営できなくなれば、その時にまた考えます。
自分だったら買う前に試遊で利用したいと思いますし、自分と同じ感覚をお持ちの方には受けるのかなと。
「安すぎる、ふざけるな!営業妨害だ!」という意見御座いましたら、Twitter等でDMください。手さぐりなので、叱咤激励全て真摯に受け止め、お互いが納得できるようになれば、それもまたボードゲーム業界全体の発展に繋がるのかもしれませんので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
料金体系を変更することは混乱を招くなどあると思いますが、どうぞよしなに。
長々と私どもの考えを読んでいただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
CosmosWan
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定休日 火曜日